マネジメントにおけるQSCの重要性を元マクドナルドの店長が徹底解説

  • 店舗経営のマネジメントが上手くいかない
  • 売り上げがなかなか上がらない
  • 従業員やアルバイトが長続きしない

事業でマネジメントをしているリーダーであれば、悩んだことがある方は多いでしょう。

スタッフと一緒にビジネスを育てていくのは楽しい一方、どうしたら良いかわからずに苦しむこともありますよね。

私がマクドナルドの店長だったとき、60人いたスタッフの半数以上が辞め、売上が3,000万円減ってしまった経験があります。

この記事の内容
  • マネジメントにおけるQSCの重要性
  • QSCが向上すると得られるメリット
  • 店舗経営・ビジネスにおけるQSC

この記事を読むことで、マネジメントに大切なQSCを知ることができ、たくましく信頼されるリーダーになることができます!

目次

QSCとは

QSCとは下記の頭文字を取った略語です。

  • クオリティ(品質)
  • サービス(接客)
  • クレンリネス(清潔さ)

一般的に「飲食店経営の基本となる指針」として使われることが多いですが、他のビジネスにも応用のきく考え方です。

QSCの向上は顧客満足に直結するため、改善を繰り返すことで売上のアップにつながります。

冒頭で紹介した私の失敗談のあと、QSCの向上を意識すると以下の改善がみれました。

QSCの向上を意識してからのマクドナルド店舗の改善
  • 1店舗当たりの年間売上1億アップ
  • 年商4億のマネジメントを経験
  • スタッフが誰も辞めない店舗運営
  • スタッフの紹介で人員不足解消
  • 複数店舗経営で130人以上のスタッフをマネジメント

QSCを向上すると売上がアップし、人員不足の解消にもなるので、店舗経営やマネジメントにおいて非常に重要です。

マネジメントにおけるQSCの重要性

QSCは3つとも大事で、どれか1つでも欠けてはいけません。

  • 顧客満足
  • 従業員満足
  • 売上アップ

上記を同時に成り立たせるために、QSCはとても大切だからです。

店舗経営やビジネスは、リーダーがスタッフをマネジメントし、チームとして事業を成功に導く必要があります。

リーダーがQSCを徹底することで「店舗・スタッフの指針」がわかり、チームが自走し始めて成長していくのです。

QSCが向上すると得られるもの

QSCが向上すると得られるメリットは、以下のとおりです。

QSCが向上すると得られるメリット
  • 顧客満足(CS)の向上による売上アップ
  • 店舗イメージの向上による求人応募の増加
  • 職場改善による従業員満足度(ES)の向上

「QSCの向上=売上アップ」が一般的な考え方ですが、求人応募が増えて職場環境が良くなるのもメリットです。

一度良い流れができれば、マネジメントもしやすくなるので、ぜひQSCの向上を目指しましょう!

顧客満足(CS)の向上による売上アップ

QSCが向上すると顧客満足度が上がり、リピーターが増えたり口コミで来店したりする顧客が増え、売上アップが見込めます。

QSC自体が顧客のための指針なので、一番の土台となるステップです。

売上がアップすると経営面で安定し、さらに次の施策を打つことができます。

店舗イメージの向上による求人応募の増加

QSCが向上して、店舗のブランド力が高まると求人応募が増加するといったメリットもあります。

  • おしゃれなお店で働きたい
  • スタッフの雰囲気が良い職場で働きたい

と考える方は少なくないでしょう。

私がマクドナルドの店長だった頃、スタッフの紹介で次第にアルバイトが増えていったのも一例です。

QSCの向上は、昨今の人材不足解消にも効果があります。

職場改善による従業員満足度(ES)の向上

スタッフがやりがいを感じると、従業員の満足度は上がっていきます。

QSCの向上によりスタッフのやるべきことが明確化し、お店が活気づけば、仕事に誇りを持ってくれるからです。

私がマクドナルドにいた頃、130人以上のスタッフをマネジメントし、複数店舗を経営できたのもQSCの向上によって従業員満足度が上がったからでした。

従業員満足度が上がると、売上・求人応募の増加にもつながり、良い流れをつくることができます。

店舗経営でのQSC

「飲食店経営の基本となるQSC」を現場の目線で見てみましょう。

具体的に「何を意識して取り組んでいけば良いのか」がわかるので、ぜひ参考にしてください。

クオリティ

クオリティは飲食店でいえば、提供するメニューの品質です。

  • 味の良さ
  • 新鮮さ
  • 見た目の良さ
  • 再現性の高さ
  • 提供の早さ

などがクオリティに当たります。

マクドナルドではマニュアルやスタッフ教育により、日本全国どこの店舗で食べても同じ品質のものが食べられますよね。

作るスタッフによって、クオリティが変わらないように仕組みをつくることが大事です。

サービス

サービスは顧客への接客や対応のことです。

  • 来店・お帰り時のあいさつ
  • 心地よい接客
  • 混雑時の対応
  • 問い合わせへの対応
  • トラブル時の対応

などが、サービスに当たりますが、想定しづらいトラブルはマニュアル化できないものもあります。

マニュアル化できなくても、リーダーが理念をスタッフに伝えていれば、解決できる問題は多いです。

震災の時、オリエンタルランドの従業員がマニュアルではなく、個人の判断で来園者に対応して絶賛されたのは良い例でしょう。

クレンリネス

クレンリネスは店舗の清潔さをいいます。

  • 店内・店外が整えられているか
  • 看板は汚くないか
  • スタッフの身なりは適切か
  • 食器類は汚れていないか
  • トイレは清潔さを保てているか

などが当たり、マニュアル化やチェック表を使えば早めに改善できることが多いです。

場合によっては大幅な修繕が必要になる時もあるので、リーダーがよく考える必要があります。

またクレンリネスは個人的な感覚の差も大きく、やり過ぎてもスタッフの重荷になるので注意が必要です。

ビジネスでのQSC

QSCは飲食店だけではなく、他のビジネスにも応用できる基本的な考え方です。

会社経営者であれば、経営やマネジメントにおいて非常に役立つので、積極的に取り入れましょう。

クオリティ

ビジネスにおいて、クオリティの一例は次のとおりです。

  • 商品使いやすさ
  • 顧客満足度の高い仕事
  • レスポンスの早さ
  • 担当変更による手間が少ない
  • 無駄がなく顧客の時間を取らせない

事業内容によって変わりますが、上記がクオリティに当たります。

簡単にいえば「またお願いしたい」と相手に思わせる仕事をすることです。

時にはリーダーの判断で、人を入れ替えることもしながら、クオリティの高い組織をつくっていけます。

サービス

ビジネスでのサービスは以下があげられます。

  • 営業の提案・活動
  • 事務員の対応
  • メール・電話対応
  • クレーム対応
  • イレギュラー時の対応

ビジネスにおいてのサービスは人同士で行われることも多く、トラブルが多いのが特徴です。

また理不尽な要求をしてくる顧客やクレーマーへの対応も時にはあり、できないことは断る勇気も必要になります。

飲食店と同様に経営者の理念を伝え、共感してくれるスタッフが増えることで、サービスは向上していきます。

クレンリネス

ビジネスにとってのクレンリネス一例は以下のとおり。

  • オフィスの清潔さ
  • トイレが清潔に保たれているか
  • ホームページのデザイン
  • スタッフの服装・身なり
  • 仕事道具のきれいさ

クレンリネスは、顧客にとっても働くスタッフにっても重要な要素なので、清潔さを保つ必要があります。

またオフィスだけではなく、ホームページやSNSなど顧客が見る可能性があるものは、デザインを整えましょう。

社内にできるスタッフがいない場合は、外注することも念頭におき、リーダーが判断する必要があります。

QSCのアレンジ

飲食店経営やビジネスにおいて大切なQSCには、アレンジした形があります。

あなたの事業に合うものがあれば、積極的に取り入れてQSCの向上をしていきましょう!

QSC+H

「QSC+H」はQSCにホスピタリティを足したもので、最近では取り入れているところも多い考え方です。

ホスピタリティとは「おもてなし」のことで、来店者に対しておもてなしの気持ちを持って接することにより、ライバル店との差別化を図ります。

「もてなす」気持ちがあれば、QSC全体の質が上がりますが難易度が高いため、チェーン店に対抗する個人経営店に向いているでしょう。

QSC+A

アトモスフィア(お店の雰囲気)を足したものが、「QSC+A」です。

飲食店やお店を決める時に、店内の雰囲気を見て決める方は多いのではないでしょうか。

たとえば給食が出てくる学校風の飲食店は、なつかしさを感じ行きたくなる人も多く、「QSC+A」と言えます。

QSC+V

マクドナルドの創業者が提案したのが、「QSC+V」でQSCにバリューを足したものです。

バリューとは「顧客満足につながる価値」を指し、他の店舗より優れた価値を提供できれば、QSCがいっそう向上します。

マクドナルドの店長だった頃、ハッピーセットや期間限定メニューが大人気で、リピーターが非常に多かったです。

バリューはさまざまな視点で付け加えることができるので、ビジネスモデルによって顧客のためになることを考察する必要があります。

特化型

特化型とは、QSCのどれか1つを特化させる考え方です。

大前提として、特化させるもの以外も最低限のレベルを保っていなければ成り立ちません。

以下、QSC特化型の一例です。

  • クオリティ特化:私語が禁止だけど行列のできるラーメン店
  • サービス特化:メイド喫茶
  • クレンリネス特化:一等地の高級店

以前、テレビでよく取り上げられていた「古びているけど美味しいお店」もクオリティ特化型です。

サービス特化型のお店は、主にサービスを楽しみに行くのであって、出てくるメニューの味はそれほど求められていません。

清潔さが重要視されるお店はありますが、クレンリネスだけ特化しているお店は少なく、QSC全体が高い傾向にあります。

まとめ

この記事では、マネジメントにおけるQSCの重要性や飲食店・ビジネスでのQSCを解説しました。

QSCが向上すると得られるメリット
  • 顧客満足(CS)の向上による売上アップ
  • 店舗イメージの向上による求人応募の増加
  • 職場改善による従業員満足度(ES)の向上

QSCが向上すると売上のアップだけではなく、上記のようなメリットもあります。

実際にマクドナルドの店長だった私が、QSCを向上させることで得た実績です。

QSC向上で得たマクドナルド店舗の実績
  • 1店舗当たりの年間売上1億アップ
  • 年商4億のマネジメントを経験
  • スタッフが誰も辞めない店舗運営
  • スタッフの紹介で人員不足解消
  • 複数店舗経営で130人以上のスタッフをマネジメント

リーダーとしてビジネスで大きな成果を得ようとすると、スタッフの協力・成長が必要です。

QSCを向上させると、チームのスタッフが自立して成長するので、マネジメントもしやすくなり事業を大きくすることができます。

信頼されるたくましいリーダーになるために、QSCの向上を心がけましょう!

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